このたびBambinart Galleryでは、太田友貴(おおた・ゆき)個展「Daydream」を開催いたします。
今春、東京藝術大学大学院(杉戸洋研究室)を修了する太田友貴(1989年静岡県に生まれ)は、これまで2010年に開催された「現役美大生の現代美術展 Produced by X 氏」(Kaikai Kiki Gallery、Hidari Zingaro)に参加したほか、Turner Galleryや東京藝術大学学生会館、Bambinart Galleryで開催されたグループショウに参加してきました。またターナーアワード(2011)、トーキョーワンダーウォール(2014)に入選するなど作品の発表を重ねてきました。
「捉えてはいるけれど見ることはできていない、何にもなれないまま宙に浮いている景色がわたしの中にたくさんあって、それに引っ張られながら絵の具を置いていく。宙吊りになったその景色と、目の前に広がる世界との間を行ったり来たりして、本当は何を見たいのか探している。」(太田友貴)
自然豊かな静岡県は富士山のふもとで産まれ育った太田友貴。川が流れ草花が群生し、遠くには山が見える景色を触媒にして、自らの意識に潜む光景や色彩を探りながら描きます。認識できるかできないかぐらいの心象を逃さないように、確かめるようにして絵筆を動かし、描かれた色彩は形を得てつながっていきます。作品には朧気な人物、あるいはその気配が描かれており、絵画の中へと誘うかのようです。本展が初個展となる太田友貴展「Daydream」をどうぞご高覧ください。