井上稚菜、 太田友貴、 川田龍、 花沢忍、 林祐衣、 槇本惠
このたびBambinart Galleryでは、若いアーティストを紹介するシリーズ企画展、Emerging Artists 2015を開催いたします。
生物が環境に適応して生存してきたように、芸術もまた社会との関わりのなかで形態を多様化し、さまざまな表現手法を生み出してきました。
例えば歌舞伎がただ慣習を継続していくのではなく、固定観念に挑みながら革新を重ねることで伝統を継承してきたように、絵画もまた二次元という制約のなかで何度も存続を危惧されながら、その可能性は今なお探求され続けています。
本展は、Part1、Part2の2会期に分け、6人のアーティストを紹介いたします。1988年から90年に生まれた若いアーティストの作品には、それぞれに20世紀初頭のフォーヴィスムや1970年代後半の新表現主義を思い起こさせたり、あるいはベラスケスやゴッホを彷彿とさせる大胆なタッチが見受けられたりします。
偉大な画家たちが切り拓いた技法を礎としながら、真摯に描かれた絵画は、私たちに新しい気づきを与え、人生への好奇心を満たしてくれます。
そしてキャンバスのうえに、無限の可能性を感じることでしょう。
どうぞご高覧ください。
井上 稚菜 Wakana Inoue
「一つの事柄を作品にする中で明確な物語を設定している。それは、ポジティブな形にすることで、今向き合っている事柄を体内に取り込みやすくするためである」
太田 友貴 Yuki Ota
「わたしは、絵画で呼吸をしたい。息を吸って吐くように筆を置き滑らせる。当たり前に感じている事を丁寧になぞりながら確かめ続ける」
川田 龍 Ryo Kawada
「描かれたモチーフが何であるか、人物が誰であるかに特別な意味はありません。ただそこに存在する“もの”や“状態”を描いています」
花沢 忍 Shinobu Hanazawa
「見えるもの見えないもの、善と悪、生きてるもの死んでるもの、愛おしさと悲しみと。お花と。うさぎと。ゆうれい。あと、カミサマとか。。」
林 祐衣 Yui Hayashi
「日常に突如訪れる永遠性は、死に向かって流れることをやめた時間の特異点である。巻き戻し/早送り、一時停止をするように、その瞬間を提示したい」
槇本 惠 Kei Makimoto
「儚く消えてしまっても、ただの思い込みでも、強くとらえてしまうもの。そこに見いだした なにか を、知りたい。わかりたい。そう思い、つくっています」